鋼の錬金術師 Wiki
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鋼の錬金術師 > 鋼の錬金術師の登場人物一覧 > 鋼の錬金術師の主要な登場人物

テンプレート:ネタバレ冒頭 鋼の錬金術師の主要な登場人物(はがねのれんきんじゅつしのしゅようなとうじょうじんぶつ)は、漫画鋼の錬金術師』に登場した人物のうち、特にストーリーラインに深く関わりを持つ人物に関する一覧である。その他の人物に関しては鋼の錬金術師の登場人物一覧を参照。

エルリック兄弟[]

エドワード・エルリック
主人公。通称エド。

詳細はエドワード・エルリックを参照

アルフォンス・エルリック
もう一人の主人公。通称アル。エドの弟。

詳細はアルフォンス・エルリックを参照

エルリック兄弟の関係者[]

ウィンリィ· ロックベル
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本作のヒロイン。機械鎧整備士。登場時15歳。
淡い金髪のポニーテールに、青い瞳の美少女。右に4つ、左に2つの合計6つピアスをしている。機械類に目がない。リゼンブールの医者の家に生まれ、エルリック兄弟とは幼馴染。両親は彼女が8歳の時にイシュヴァールの内乱で死亡し、以後は祖母のピナコに育てられる。ピナコを師として機械鎧整備士になり、エルリック兄弟を支えている。
普段は明朗快活で「ロックベル家の女は根性と肝っ玉が売り」の通りの性格だが、一方で泣き虫。機械鎧を壊してしまったエドワードに腹を立てスパナで殴るなど暴力を振るうこともあるが、誰よりも兄弟の身を案じている。エドワードに対しては恋心を抱いているが、中々明かせない。特に「傷の男」との一件以降は、お互いに恋愛感情を自覚するようになるが、実際に仲が進展するのは最終回のエドワードからのプロポーズまでかかった。なお、彼女がいつもしているピアスは、エドワードのお土産。
機械鎧整備士としては優秀であり、エドワードの機械鎧は製作・整備とも彼女が全て行っている。また幼い頃から家にあった医学書を読んでいたことから、医学知識も豊富である。ラッシュバレーでは医師不在の中、持ち前の根性を振り絞ってお産に立会い、無事に赤ん坊を取り上げる。
「傷の男」とは両親殺しの犯人ということもあり縁は深く、作中では彼に多大な影響を与える。特に終盤はホムンクルス達から逃げるため彼らの一行と共に行動する。
後述するようにヒロインであるが作中での登場は遅い。中盤では兄弟と一時期行動を共にし、それらが縁でラッシュバレーのガーフィールの下で修行に励むようになる。その裏では、エルリック兄弟の弱点としてホムンクルス達に目を付けられることになり、終盤で彼らがブリッグズへ向かうと牽制材料として彼女もブリッグズへ行くよう仕向けられる。そこで「傷の男」と和解し、ホムンクルス達から身を守るため、以後は「傷の男」達と行動を共にするようになる。
「約束の日」はリゼンブールに密かに帰郷し、エルリック兄弟らの生還を願い、帰ってきた彼らを笑顔で迎える。エピローグでは旅立つエドワードにプロポーズされ、その文句に呆れながらも承諾する。最後の写真には2人と一緒に彼らの子と思われる子供も写っている。
ヒロインであるが物語序盤での登場は少なく、始めて作中に登場したのは第9話である。荒川の当初の予定では3話で出すつもりであったが、担当編集者に「まだ早い」と止められたという[出典 1]。荒川は、このことに悔やんでいるというコメントを残しており、2003年のアニメに関しては登場を増やしヒロインらしくしてくれるよう注文をつけていた[出典 2]。一方で、第3話はユースウェルのエピソードとなり、ヨキが誕生するきっかけになったかもしれないと述べている[出典 1]
イズミ· カーティステンプレート:Anchor
錬金術師。エルリック兄弟の師匠。36歳。
細いドレッドロックスをポニーテールのように束ねた髪型と、左鎖骨下の「フラメルの十字架」の入れ墨が特徴の女性。胸元の大きく開いた服などを着ているが、履物はいつもトイレ用サンダル。結婚18年目で旧姓は「ハーネット」。自宅はダブリスで「カーティス精肉店」を経営している。素性を問われると「主婦」と名乗る。
性格は少々頑固だが、厳しさと優しさの両方を兼ね備えた女性である。錬金術師としての腕前は高く、また体術の腕前も非常に高い。かつて流産によって亡くなった我が子を人体錬成しようとして内臓のいくつかを失う。これによって2度と子を成すことができぬ身体となり、また虚弱体質となってよく吐血する。同時に「真理」を見たことで錬成陣無しに錬成ができる。
錬金術師としては高い腕前を持つが、上記の過去のため弟子を取らない主義でいた。旅先で出会ったエルリック兄弟が弟子入り志願してきた際にも当初は断ったが、彼らの真剣さに根負けし、これを認める。修行は徹底的なスパルタで、作中ではエルリック兄弟がたびたび修行時代のことを思い出して、しばしば当時の過酷さと現状を対比させる。特に最初の1ヶ月は無人島でのサバイバルであり、「一は全、全は一」を学び取らせた。一方で、彼らの母親代わりという面も持つ。
夫のシグとは互いに溺愛しており、普段の態度とは裏腹に所構わず惚気る。もともと人体錬成しようとしたのも、落胆した夫を見かねてのことであった。趣味も夫婦揃っての旅行であり、基本的には店を空けて、2人でアメストリス国中を旅行していることが多い。
オマケの短編によると、18歳の頃に錬金術を志し、著名な錬金術師である「シルバ・スタイナー」を尋ね、弟子入り志願する。その条件として「ナイフ一本で一ヶ月、冬のブリッグズ山で生き延びろ」と命じられ、ブリッグズの国境警備隊や猛獣を倒して条件をクリアする。その後、シルバは既に死亡していて、弟子入り志願した相手は兄のゴルドだったと判明するが、結果として「一は全、全は一」を学びとることに成功する(『パーフェクトガイドブック2』収録の短編)。シグとの出会いは、この帰り道で、互いに強烈な一目惚れをしたということになっている(『ハガレン研究所DX』「もしもシリーズ」)。今でもブリッグズでは謎の女による襲撃事件として語り草となっており、本編でも言及される。
「約束の日」の直前は、わざとブリッグズ兵に捕まり、情報を伝える。そのまま、「約束の日」はブリッグズ兵達と行動を共にし、錬金術でトンネルを掘って、中央司令部の作戦本部を襲撃する。続けて、スロウスに苦戦するアームストロング姉弟の所に夫と共に参じ、難無くスロウスを追い込み、これを倒す手助けをする。そして、退散するつもりであったが、強制的に地下の部屋に転送されてしまう。結局、「人柱」にされてしまうが、エドワードらと協力し、「お父様」を倒す。
ヴァン·ホーエンハイムテンプレート:Anchor
エルリック兄弟の父親。錬金術師。
金髪に特徴的な顎鬚を持つ眼鏡をかけた大柄な男。リゼンブールでトリシャと出会い、彼女とその間にできた2人の息子達(エルリック兄弟)と仲睦まじく暮らしていたが、ある日突然旅に出る。以来音信不通で、トリシャが亡くなったことなど全く知らなかった。
出自はクセルクセス王国の名もなき一奴隷に過ぎず、「奴隷二十三号」と呼ばれていた。ホムンクルス(後の「お父様」)の作成に血を提供したことがきっかけで彼に気に入られ、名前「ヴァン・ホーエンハイム」と広範な知識を与えられる。ホムンクルスがクセルクセス全国民を対価にした「賢者の石」を作り出した時、一緒に再構築されたことで賢者の石を半分付加され、意図せず不老不死の肉体となった。その後はクセルクセスを去り、砂漠をあてもなく歩いていたところをシンの行商隊に助けられ、それが縁でシンに錬金術を伝え、今日の「錬丹術」が発展する契機を与えた。この一連の行動は「西の賢者」としてシン国の伝説となっている。その後は悠久の時を生きながら世界各地を放浪していた。
身体そのものが「賢者の石」であるため、致命傷を受けても瞬時に再生し、年を取ることもない。推定年齢は500歳前後。しかし本人はこの身体を「友達が先に逝ってしまうのが嫌」と否定し、また自身を「化物」と忌み嫌っている。
普段は飄々とした極めてマイペースな人物だが、同時にどこか厭世的な雰囲気を醸し出している。しかしこれは数百年間孤独の中で生きてきた結果形成されたもの。元来は家族への憧れを抱いており、不器用ながらも妻や子供たちへの愛情は非常に深く、エドワードに生まれてきたことの尊さを指摘するなど、良き父である。だが「化物が伝染する」と子どもたちと接触することを拒んできたため、これも後述するエドワードから嫌われる一因となっていた。最愛の妻であり、自身の最大の理解者でもあったトリシャとは一緒に死ぬという約束をしていたが、果たせなかった(後述)。後にエドワードからトリシャの遺言を聞かされて涙を流す。
彼の出奔がトリシャの死の遠因と考えているエドワードからは酷く嫌われ、父親として認められていない(一方のアルフォンスは当時幼かったために父親の記憶は無く、会ってみたいと思っている)。リゼンブールに帰郷した際にも偶然エドワードと再会するが、家を焼いたことの意味などを指摘したため、逆上させる結果に終わってしまった。しかし終盤でトリシャの遺言の反応や、ホーエンハイムの過去を聞くとエドワードも心境が変化し、最後の戦いを経て自分の命を犠牲にしようとする彼を初めて「親父」と呼び和解した[注釈 1]。なお、若い頃はエドワードと同じ短気な性格で、容姿も彼に似ていた。作中でもエドワードを見て「若い頃の自分にそっくりだ」と思い返すシーンがある。
身体に莫大な「賢者の石」を有しているため、傷を負っても瞬時に治癒され、等価交換を無視したノーモーションでの錬成が可能。それに加えて本人の錬金術の腕前も相当に高いことから、作中でもトップクラスの戦闘力を誇る。また彼の錬金術は錬丹術の要素が強く、「お父様」の錬金術封じが効かないため、最終決戦時は大きな力となった。
子どもが誕生したことを契機に自身の異端性を強く認識するようになり、トリシャと共に老いて死ぬことを切願する。そのための研究をしていた矢先に「お父様」の計画に気付き、これを阻止するべく旅に出る。出奔から約10年後、リゼンブールに帰郷し、既にトリシャが亡くなっていたことや自宅が焼き払われていたことをやっと知る。その後もアメストリス国内を転々とし、国土錬成陣を調べると同時にそのカウンターを構築するために体内の53万6329人分の魂との対話を完了させ、「お父様」を倒すための共闘関係を築いていた。「約束の日」を前に息子達とも再会し、共に「約束の日」に臨む。
「約束の日」には当初1人で「お父様」に挑むが敵わず、捕らえられてしまい国土錬成陣を発動させてしまう。しかし仕掛けた「カウンター」によって逆に「お父様」を追い込み、一方で息子達を「お父様」の強力な攻撃から守る。最終的に生き残るが、「賢者の石」を使い切ったことで体内の魂の数は1つとなり、かろうじて生きているような状態となる。そして黙って戦場を去るとリゼンブールに赴き、トリシャの墓の前で安らかに息をひきとる。遺体はピナコに発見され、トリシャの墓の横に埋葬される。その後最終巻巻末の書き下ろし、死後の世界と思しき場所[注釈 2]でトリシャとの再会を果たした。
名前の由来はパラケルススの本名から。実際のパラケルススの本名はもっと長いもので、作中でも当初その名前が付けられようとしたが、ホーエンハイムが「長い」と拒否したため、最後の「ヴァン・ホーエンハイム」のみに短縮されたという経緯がある。

ロイ・マスタングとその部下[]

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軍部の大佐。東方司令部勤務。後に中央司令部へ栄転。「焔」の二つ名を持つ国家錬金術師。1885年生まれ。登場時は29歳(11巻から30歳)。黒髪のショートヘアーに黒の瞳が特徴。年の割に童顔で威厳がない事が密かな悩みである。
大総統の地位を目指す野心家の青年。普段は女好き、職務怠慢な態度を取っており、いい加減な性格に見せているが、実際には狡猾さと強い意志を併せ持つ。自らが信頼する人間には、本心を見せており、「目的最優先」と言い放つなど厳しい発言が目立つ。だが、いざ部下などの身内のこととなると、自らの危険も省みない行動に出るという情に厚い部分を見せる。
詳しい出自は不明。父方の叔母である[出典 3]クリス・マスタングを養母に育てられ、その後、ホークアイの父親の下で錬金術を学ぶ。国を良くしたいとの想いから、軍に入隊、士官学校に入り、同時に国家錬金術師資格を取る。イシュヴァール殲滅戦では人間兵器として投入され、味方(部下)を守るために多大な戦果を挙げたことから、「イシュヴァールの英雄」の異名をとる。そして東方司令部に勤務し、上司であるグラマンに気に入られ、彼より策謀の手ほどきを受ける。若くして大佐の地位を得るなど着実に実績を積み重ね現在に至る。
国民を守るため軍に入隊したが、イシュヴァール殲滅戦にて理想と現実のギャップを思い知る。特に、イシュヴァール人を使った人体実験にも加担しており、炎をかなり自由に扱えるようになった反面、それらの行為が心の闇となっている。それでも、夢を諦めず、大総統の地位を目指すようになる。最終的には国家体制の変革(軍国主義から民主主義への移行など)を目指し、その結果としてイシュヴァール戦の正当性が問われ、自身が裁かれる可能性も覚悟している。
錬金術師としての能力は二つ名の通り、焔(炎)である。燃焼の三要素である燃焼物・酸素・点火源を錬金術によって生成(用意)することで炎を起こす。イシュヴァール戦での経験から炎の強さをかなり自由に調節でき、本気を出せばかなりの火力を発揮することができる。一方で、その性質上水に弱く、雨の日は術を行使しても不発になる。また、普段、点火源として用いている発火布の手袋が湿った場合も同じである(ライターなど点火源が代価できればこの限りではない)。このことから「(雨の日は)無能」と呼ばれ、作中でもネタやジョークとしてよく登場する。炎の錬金術に限らず、錬金術師として優秀であり、ホムンクルス達からは人柱候補として目をつけられていた。
エルリック兄弟との関係は、国家錬金術師への推挙のためリゼンブールを訪れたことから始まる。偶然、彼らが母親の人体錬成に失敗した直後に会うこととなり、絶望していたエドワードを叱咤し、彼を立ち上がらせるきっかけを作る。国家錬金術師資格への推挙は、あくまで自身の出世のためなど、単なる利害関係の一致と距離をとるような言動を行うことがあるが、内心では兄弟のことを気にかけている。エドワードのことを「鋼の」と呼ぶ。
士官学校の同期であったヒューズとは親友であり、自分の良き理解者でもあった。彼がエンヴィーに殺害されると、その死の真相と仇討ちも、自身の目的に加わる。度重なるホムンクルス達との戦いの後、「約束の日」において、やっとエンヴィーと出会う。復讐のため、一切の容赦なくエンヴィーを何度も焼き殺し、一方的に追い詰める。しかし、最後の最後で、ホークアイ、エドワード、さらに「傷の男」からも復讐を止めるように諭され、エンヴィーにとどめを刺すことを諦める(その後、エンヴィーは自死)。
作中ではホムンクルス達の策略を上手くかわし、逆に軍内での地位獲得やラストを倒すことに成功する。しかし、ラストの死後、ブラッドレイによって部下達を散り散りにさせられてしまう。それでも諦めず、グラマンやオリヴィエなど様々な協力者から助力を得て「約束の日」に臨む。
「約束の日」、部下達を招集、ホムンクルス達の計画を阻止するため行動を起こす。ブラッドレイが生死不明、セントラル市内をブリッグズ兵が暗躍して、市内が混乱する中で独自に行動し、ブラッドレイ夫人を味方に引き入れる。その後、ホムンクルスらのアジトへ向かいエンヴィーを倒すも、ブラッドレイとプライドに行く手を阻まれる。そしてプライドによって無理やり「真理の扉」を開かされ、視力を失って人柱となってしまう。最終決戦では、目が見えないながらも、ホークアイのアシストによって「お父様」を攻撃する。
「約束の日」の後、イシュヴァール復興と引き換えに、マルコーより「賢者の石」で視力を回復する。大総統の地位をグラマンに預け、准将となってイシュヴァール政策の指揮をとる。
2009年のアニメ版ではその後口ひげを蓄えた様子である。
人気投票では毎回1位のエドワードに大差をつけられての2位となっており、それに関するネタが描写される。また上述のようにオマケやジョークで「無能」ネタも多い。
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軍部の少尉(のちに中尉)でマスタングの部下。
金髪に鳶色の目という容姿端麗な女性。性格は仕事中は常に冷静沈着で、よほどのことが無い限り感情を表に出さない。一転して、プライベートでは笑顔のシーンも多く、引き取り手のいない仔犬(後の「ブラックハヤテ号」)を引き取るなど、根は優しい。非常にスタイルが良く見えるが、作者曰く「(軍人の為、身体を鍛えているので)肩幅が広く、(そこそこの年齢だから)お尻が大きいため、腰が細く見える」と説明している[出典 4]
見かけに反して類い稀な狙撃センスの持ち主であり、イシュヴァール殲滅戦が起こった時には、士官学校生だったが狙撃主として前線に配属された。名前と、その正確無比な狙撃から「鷹の眼」の異名を持つ。常に銃を二丁携帯している。本人が銃を愛用するのは、本人曰く「人の死に行く感触が残らないから」。だがこれを欺瞞であるとキンブリーに指摘されて何も言えず、後にマスタングに再度指摘された時にはこれを認め、「次世代のために自らが手を汚す」と肯定した。
マスタングの腹心であり、彼からは「もし自分が道を踏み外したら殺せ」と託されるほどに他の直属の部下とは一線を画した女性として描かれる。終盤部では復讐に走ろうとするマスタングを止める役割も担う。マスタングとの関係も軍人同士としてでなく、彼が、錬金術師であった亡き父親の弟子だったことに起因する。当時のホークアイは、のちの彼女とは違い、ごく普通の年頃の少女だった。父の死亡により、いったんマスタングとの関係は途切れるが、イシュヴァール戦にて再会し、終戦後はマスタングの推薦もあって彼の部下となる。背中には父の秘伝の錬金術の暗号が刺青で記されていたが、イシュヴァール戦後にその破棄を望み、マスタング自身の手により一部が焼き潰された。
現在のマスタングとの関係は明確に上司と部下のものではあるが、彼に対し特別な感情を抱いていると思われる描写もいくつかなされている。またマスタングも、彼女に対し気のあるようなそぶりを見せたことがある。
第三研究所の戦いののち大総統付補佐となった、これは事実上ホムンクルスらの人質となったことを示す。しかしプライドの情報を伝えるなど、マスタングに協力をつづける。「約束の日」には他の部下たちと同様に、マスタングのもとに駆けつけた。マスタングとともにホムンクルスらのアジト中枢へ向かうが、マスタングに扉を開けさせたい金歯医者に重傷を負わせられた。それでも「人体錬成」をしないようマスタングを引きとめ、形成逆転のきっかけをつくらせた。最終決戦では、視力を失ったマスタングを補佐して「お父様」と戦う。
「約束の日」ののちは、イシュヴァール復興政策に赴くマスタングに付き従った。
もとはショートヘアで、エルリック兄弟勧誘の際に出会ったウィンリィの影響を受けて髪を伸ばしたというエピソードがある(逆にウィンリィは彼女の影響を受けてピアスをつけるようになった)。
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軍部の少尉でマスタングの部下。
のらりくらりとした性格の青年。くわえ煙草がトレードマーク。東部の出身であり、内乱を身近に感じてきたことから自分でどうにかしたいと考え、士官学校に入ったという過去を持つ。ブレダは同期。身体能力や銃器の扱いに長けており、マスタングの部下の中で実働的な役割を務める。戦いの場ではマスタングとは良いコンビで、何かと前線に出たがるマスタングをホークアイと共に抑える。また、頭は悪いと自他ともに認めているが近づいてきたラストには情報を流さないなど、公私の別は厳密に守っている。
女性運が非常に悪い。彼女ができるが、間もなくセントラルに移動になってフラれる。その後、アームストロング少将の妹・キャサリンと見合いをするが、それもフラれる。そして、念願の彼女を作るが、それはマスタングの情報収集のために近づいてきたラストであり、第三研究所の戦いで彼女に刺されることとなる。
第三研究所の戦いにおいて、ラストの攻撃によって脊髄を損傷し、下半身不随となる。そして役立たずとなった自分を捨てきれないマスタングを甘いと指摘し、軍を去る。その後は実家の雑貨店を継ぐが、「約束の日」において弾薬などの必要物資をマスタングに供給し、手助けをする。「約束の日」の後は、マルコーの賢者の石によって回復したらしく、エピローグでリハビリをする様子が描かれている。
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軍部の少尉でマスタングの部下。
茶髪の刈り上げ、背は低いが恰幅の良い体型の男性。見た目とは裏腹に頭脳派で士官学校を首席で卒業した。マスタングのチェスの相手、知恵が必要な時の相談相手でもある。ハボックとは士官学校の同期であり、プライベートでは「ハボ」という愛称で呼ぶ。何かしら食べているシーンが多い。大の犬嫌いで、ブラックハヤテ号にも怯える。
第三研究所の戦い以後、ブラッドレイにより西方司令部に異動させられる。「約束の日」、軍を脱走してマスタングの下に駆けつける。フュリーと共にラジオ局ジャックを行い、ブラッドレイ夫人のコメントや大総統の行方不明を使って国民を味方に付けるべく情報操作を行う。
「約束の日」の後は詳しいことは不明であるが、ハボックがリハビリしている写真にロスと共に写っている。
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軍部の准尉でマスタングの部下。
長身痩躯で頬が痩せこけ、白髪もしくはグレーの髪の男性。特技は歩くデータベースの如き記憶力。元々は北部出身で、東部へ転属された後にマスタングの部下になる。作中では苦労することが多い。
第三研究所の戦いでは持ち前の記憶力よりナンバー66の尋問を担当したことがきっかけで、彼を見張る役目を担う。その後、ブラッドレイの命令によって北方へ転属させられた後は、そこからさらに北のブリッグズへ飛ばされてしまう(その際、少尉に昇格)。ブリッグズでは下っ端で氷柱落としの仕事をしていたが、ブリッグズを訪れたエルリック兄弟の知り合いということでオリヴィエやバッカニアらとも共に行動する。
「約束の日」、他の仲間と違ってマスタングの下には参せず、バッカニア率いるブリッグズ兵と行動を共にする。持ち前の記憶力より中央司令部の作戦本部の位置を把握しており、地下からの正確な突入に一役買う。その後、オリヴィエの命令に従い正門の防衛に回り、ブラッドレイの帰参でバッカニアが目前でやられる状態にあっても恐怖で涙を流しながらブラッドレイに銃口を向ける。
「約束の日」の後は、そのままブリッグズに残ったことが確認できる。
2009年のアニメ版では現地で結婚したのか、そっくりな子ども二人と共に写真に収まっている
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軍部の曹長でマスタングの部下。
童顔に眼鏡の青年。穏やかで優しい性格だが気が弱い。通信機器のスペシャリストで、第三研究所地下での戦いに際しては外部通信を一人で担っていた。また中央の無線のチャンネルを全て知っているなど、趣味で入隊以前から培われたその知識と技術は目をみはるものがある。捨てられていたブラックハヤテ号を拾ってきた張本人。
第三研究所の戦い以後、ブラッドレイにより南方司令部に異動させられる。アエルゴ軍との激戦地のまっただ中にいたが「約束の日」に脱走してマスタングの元に駆けつけ、共に戦う。ブレダと共にラジオ局ジャックを行い、国民を味方に付けるべく情報操作を行う。
ブラックハヤテ号
ホークアイの飼い犬。雄。愛称は「ハヤテ号」「ブラハ」。
仔犬の頃、捨てられていたのをフュリーに拾われ、最終的にホークアイによって飼われることになる。彼女の厳しい躾を受け、従順かつ勇敢に育つ。

アメストリス軍[]

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アメストリス軍大総統。60歳。正体はラース。
アメストリス軍の最高責任者で、国政の実質的な決定権を持つ事実上の国家元首。左目に眼帯をしている。戦場で数々の武功をたて、44歳の若さで独裁者へと成り上がった。大総統に就任してからは、国家錬金術師制度の導入、より中央集権的な体制への編成など、アメストリスをより軍事国家として編成していく。その正体は、7番目に作られたホムンクルス「ラース(憤怒)」であり、左眼にウロボロスの印がある。ホムンクルス達の計画の最後の詰めとして国家の舵を取る役割を担っており、若くして大総統の地位に就けたのもそのためである。
元は普通の人間で、ホムンクルス達に幼少時よりエリートとして養成された大総統候補生の一人。その身に賢者の石を注入され、高エネルギーに耐えた末に誕生した人間ベースのホムンクルスであり、「キング・ブラッドレイ」という名前はこの時に付けられたものである。魂が1つしか無いために他のホムンクルスと違って再生能力を持たず、また普通に老化する。そのため身体能力には衰えがあるらしいが、それでも多大な戦闘能力を誇る。
完全なリアリストでありながら、好々爺然とした紳士という二面性を持つ。序盤では、最高権力者という地位に似つかわしくない軽い言動を取るが、グリードとの戦闘でホムンクルスと判明してからは、リアリスト的な独裁者としての面が強調されていく。他のホムンクルス同様にホムンクルスであることに誇りを持っているが、人間を単純に軽蔑しているわけでもなく、度々語られる自身の人生観・宗教観などの思想信条には他のホムンクルスとは違った面もある。特に人生の全てを「お父様」のシナリオで生きてきたことに対して思うところがあり、エドワードやマスタングらが思い通りにならないことを腹が立つと言いつつも楽しんだり、唯一自分で選んだとする妻に対しては深い愛情を持っている。
戦闘方法はホムンクルスとしての能力を生かした二刀流。ホムンクルスとしての固有能力は銃の弾道さえ見切る動体視力。「最強の眼」とも呼ばれ、これに桁違いの素早い動作による高速な戦闘術で他を圧倒する。戦闘の際は背中に付けた特製の鞘を使って5振り装備し、折られた場合の代用や昆虫ピンのように相手を突き刺して拘束するのに用いる。また、刀以外にも格闘術の手練でもあり、ナイフを用いたりするなど臨機応変な近接戦闘を行う。単身で難無く戦車を破壊したり、リン(グリード)とフーといった手練をまとめて相手にしても一切のひけを取らないどころか逆に追い込む。結果として作中で負けたのは最後の「傷の男」との戦いのみだが、致命傷を負った満身創痍な状態ですら「傷の男」と互角以上の戦いを見せ、両腕を落とされても口で刃を掴み「傷の男」に大傷を負わせている。
イシュヴァール戦の時点で既にマスタングに着目しており、ラストがマスタングに倒されると「お父様」に自分をマスタングの担当にするように進言し、マスタングへの圧力を強めていく。特にグラトニーが捕まってからは、マスタング直属の部下達を地方に飛ばし、ホークアイを自身の直属にするなど、その圧力をいっそう強める。「約束の日」ではグラマンの仕掛けた罠から生還してセントラルへ帰り着き、正面よりブリッグズ兵らに占拠された大総統府に乗り込む。リン(グリード)とフーを相手に全く寄せ付けない強さを発揮してバッカニアとフーを殺すが、逆に彼らの決死の攻撃によって致命傷を負わされる。その後、満身創痍な状態にも関わらず、マスタングらを難無く拘束し、プライドと協力して彼の「真理の扉」を無理やり開けさせる。そして「お父様」の計画を守るために、瀕死の状態ながらも「傷の男」と互角に戦うが、日蝕が終わり偶然日光が目に入ったことによって敗北する。最期、フーの仇を討とうと現れたランファンに、妻への言葉は無いかと聞かれると、自分と妻の間にそんな物は必要ないと言い、充実した人生だったと満足な笑みを浮かべてそのまま息を引き取る。
統治者としては国民から支持を得ていたため、戦後も国民にはホムンクルスであったことは伏せられる。ブラッドレイの東部視察中の留守を狙ってクレミンら軍上層部が暴走し、その過程で命を失ったということになっている。
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軍部の中佐。軍法会議所勤務。マスタングの親友。
頭の回転が早い明朗な人物。後述する妻子自慢やノリの軽いところなど軍人らしからぬ面も目立つが、イシュヴァール殲滅戦を前線で戦い抜いた屈強な軍人である。家族を溺愛しており、所構わず家族の写真を見せびらかしたり、娘自慢やのろけ話のために軍の回線を公然と使用するなど、極度の親バカ・愛妻家。そのため、しばしば周りに迷惑をかけるものの、同時に気遣いや優しさを家族同様にかけるために、周囲の人物からは非常に慕われている。エルリック兄弟に対しても何かにつけ気にかけたり、初対面のウィンリィを自邸に泊まらせ娘の誕生日会に誘うなど、面倒見の良い人物。
見た目はデスクワーク派であり、「傷の男」との戦いでは包囲に加わらず路地裏に逃げていたくらいであるが、一方で暗器にも酷似した投げナイフの達人であり、これでラストを退けている。上述のようにイシュヴァール殲滅戦では前線で戦い抜き、生還した過去を持つ。
マスタングの親友かつ最大の理解者として彼に接する。マスタングとは士官学校の同期で、イシュヴァール殲滅戦にて再会。悲惨な戦場、また無能な上官による兵士の無駄死になどを通して、軍ひいては国家の改革を目指すマスタングの野望に協力する。妻子自慢に辟易しながらもマスタングもまた親友として接し、ヒューズの死はマスタングに大きな影響を与え、後のエンヴィーとの対峙に繋がることとなる。
エドワードを通して第五研究所の賢者の石の錬成陣のことを知っていたため、リオール暴動や各地の戦場の位置を見て国土錬成陣の存在にいち早く気付く。そのため、ホムンクルスに命を狙われることなり、ラストの襲撃を受けるが、間一髪でこれをかわす。国土錬成陣(とホムンクルス)に軍上層部が絡んでいることを直感し、一般回線で東方司令部のマスタングにこの事を伝えようとするが、妻・グレイシアに化けたエンヴィーに撃たれて死亡する。享年29歳。死後、二階級特進して准将となった。
結果として2巻から4巻という短い登場であったが人気は高く、キャラクター人気投票でも10位以内に入っている。後にイシュヴァール殲滅戦の回想にも登場している。
テンプレート:要出典範囲
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軍部の少佐。「豪腕」の二つ名を持つ国家錬金術師。中央司令部勤務でヒューズの部下。
大柄な男で鍛え上げられた逞しい肉体と立派なヒゲ、個性的な髪の毛がトレードマーク。事あるごとに軍服を脱ぎ捨て、その肉体を披露したがる癖を持つ。いかつく、暑苦しい外見だが、性格は感動癖で涙もろく、優しい。そのため、イシュヴァール戦では女子供にまで手をかける非情さに耐え切れず軍令に背き、デビルズネスト掃討戦ではロアに説得を試みるなど、敵であっても冷酷に徹しきれない。この軍人に不向きな点に関してブラッドレイから「だから出世できないのだ」と指摘され、姉のオリヴィエからは嫌われる要因となっている。
代々将軍を輩出した名家の出身だが、出自を鼻にかけることはない。「我がアームストロング家に代々伝わりし○○(芸術的錬金術、似顔絵術、尾行術、以下略etc…)!!」が口癖で、風貌に似合わず器用で多芸多才。家族では姉妹が多く存在し、姉3人と妹の5人姉弟(兄妹)。特にアームストロング家の長子であり長姉のオリヴィエは「ブリッグズの北壁」の異名を持つ少将である。
戦闘の際は、錬金術と肉弾戦を併用する。錬金術は、錬成陣の書き込まれた手甲で対象を殴りつけて錬成するというパワフルなもので、戦闘に際してはブロック片等を矢の形に錬成しつつ殴り飛ばしたり、地面を殴ってトゲを生やすなどの攻撃手段としてよく用いる。基本的にはボクシングのような戦闘スタイルを取り、その見た目に反してフットワークは軽いのも特徴的である。
「傷の男」の調査のためにイーストシティにやってきたヒューズの部下として登場する。その後、「傷の男」との戦いや、エドワードの護衛としてエルリック兄弟と関わる。マスタングに代わってエルリック兄弟と接することも多く、物語には頻繁に登場する。初期はヒューズの補佐であったが、ヒューズの死後は大総統護衛を務めるなど、軍内での役職は不明。直属の部下にはロスとブロッシュがいる。マスタングのセントラル異動後は、先述のようにマスタングとエルリック兄弟の伝令役などを行っている。エルリック兄弟に対しては極めて協力的であり、姉への紹介状を書いたり、人体錬成を行った過去も咎めるどころか、愛情が起こした結果として逆に感動していた。ホムンクルスとの対決では、当初マスタングに(イシュヴァール戦での件や優しい性格を配慮されて)除隊を勧められるが、今度は逃げないとしてこれを拒否し、ホムンクルスとの戦いに臨んだ。「約束の日」には、スロウスに襲撃されたオリヴィエの下に駆けつけ姉弟でスロウスと戦う。
「約束の日」の後はどうなったかは不明だが、写真には姉と一緒に写っている姿が確認できる。
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軍部の少将。ブリッグズ要塞司令官。
「ブリッグズの北壁」「氷の女王」という異名を持つ苛烈な性格の女性司令官。アームストロング少佐(アレックス)の姉で、アームストロング家の長子でもある。金髪でストレートの長髪と、官能的な厚ぼったい唇が特徴の美女。一族の中では背は小柄な方。年齢はマスタングより上。
性格はアレックスとは正反対で、非常に攻撃的。ブリッグズの掟である「弱肉強食」を体現するかのような言動をとる。人・技術問わず有益であれば、その是非を問わず重宝し、本来なら軍法会議に問われるようなことも気にせず行っている。また、外敵に対しては刃向かう気力すら起こさせないように、圧倒的な敗北を与えることを是とする。そのような厳しい性格・考えを持つため、美人でありながら部下や周りの人間から女性と見られることはない。その一方で、側近から末端に至るまで兵を把握・指揮し、指揮官としては自ら前線に立ったり、部下を守るために自らその責務を果たすなど、部下達から強い信頼を得ている。あくまで軍人として国家のために尽くし、アレックスを嫌うのも、イシュヴァール殲滅戦で戦いを放棄したという理由が大きい。
錬金術は使えないが、剣術を基本に個人の戦闘能力は高い。アームストロング家を継ぐためにアレックスと戦った時は勝利している。また、上述のように指揮官としての能力も高い。
初見では誰も信用しない主義であり、当初、エルリック兄弟に対しても厳しい態度を取る。その後、彼らの能力を見極めたうえで一定の評価を下し、彼らと協力し、レイブンからホムンクルス達の情報を引き出す。また、何度か東方司令部と合同演習を行ったことがあるため、マスタング達とは面識があり、有能な人物としてホークアイやハボックに目をつけている。マスタングには敵意ある言動が目立つが、有力なライバルと見ていることの裏返しでもあり、対ホムンクルスのために秘密裏に連絡を取り合う。一方で、イズミに対してはスロウスを難無く放り投げたこともあって、初対面で気に入り意気投合している。
レイブンを殺したことがきっかけで中央に呼び出しを受けるも、これを逆に利用してブラッドレイに取り入り、そのまま中央(大総統府)に栄転となる。「約束の日」にはアームストロング邸に忍ばせたブリッグズ兵を使って中央兵を奇襲させる。自身もホムンクルスに協力していた将軍達を殺し、中央司令部内部から制圧を図る。スロウスや不死の軍団に襲われるも弟・アレックスと共闘し、持ち前の指揮官としてのカリスマ性で中央兵を取り込んでこれらと戦う。イズミ達と合流した後は、指揮官としてブリッグズ兵に命令を送り、地下へ向かう。
中央で派手に動いたブリッグズ兵の司令官では中央に残ることは無理と考えられ、「約束の日」の後は再びブリッグズ要塞の司令官となる。また、秘密裏に「傷の男」を回収し、マイルズと共にイシュヴァール復興のために東方に送っている。
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軍部の中佐。「紅蓮」の二つ名を持つ国家錬金術師。
白いスーツとコート、帽子を愛用する総髪・吊り目の男。ホムンクルスの協力者。普段は紳士然として慇懃無礼にも似た言動の人物だが、本性は殺人に美意識を見出すサイコパス。しかし単なる快楽殺人鬼というわけではなく、自らが殺した相手を記憶するなど殺人に関して独自の理念を持つ。同時に「意志を貫く人は好き」として、自分の行動理念に従って生きる人物には敵や殺す対象でも敬意を払う。また、自身はこの世界にとって異端の存在であると自覚している。ホムンクルス達への協力についても、「大きな世界の流れの中で(人間とホムンクルスの)どちらが生き残る力を持つのか(観てみたい)」と述べたり、己の存在の是非を賭けたりと、レイブンら通常の人間の協力者とは一線を画している。
攻撃方法は爆発の錬金術。掌に刻まれた錬成陣(右手に下向きの三角と太陽の記号、左手に上向きの三角と月の記号)を合わせて対象物に触れ、爆発性のある物質へ作り変えるというもの(エドワードはキンブリーの錬金術について、陰と陽の概念に基づくものと推測している)。錬金術の特性に加え、爆発に対する造詣も深いことから「爆弾狂のキンブリー」の異名を持つ。また、イシュヴァール戦を戦い抜いた経験や体術は相当な物で、頭の回転の早さなど、かなりの強さを誇る。
イシュヴァール殲滅戦で活躍した国家錬金術師の一人で、裏では軍上層部より賢者の石を貸与され、より大きな戦果を挙げていた。殲滅戦後、賢者の石の返還を迫った上官達を爆殺するが、このことでエンヴィーに気に入られ、また自らの特性を最大限にバックアップしてくれることからホムンクルスの協力者となる。その後、表向き上官殺しの罪で中央刑務所に服役していたが、「傷の男」の抹殺と逃亡の疑いのあるマルコーの捕獲、それに伴う報復として村の抹消のため出所する。
出所後早々に「傷の男」と戦い負けるが、すぐに戦線復帰し、ブリッグズ砦に部下とレイヴンを連れて現れる。しかし、エルリック兄弟(及びブリッグズ兵)と「傷の男」が手を結んだため、取り逃がす。「傷の男」を追おうとするが、プライドの命令で、ドラクマ軍を騙してブリッグズ砦に侵攻させ、ブリッグズにドラクマ軍を壊滅させることで北の「血の紋」を刻み、国土錬成陣を完成させる。
「約束の日」、セントラル近郊のスラムで、エルリック兄弟やホーエンハイムの策で捕まったプライドを助けに現れる。そこでハインケルに重傷を負わせ、アルフォンスと戦うが、彼とマルコーの作戦によって回復したハインケルに隙を突かれ、致命傷を負い、最期はプライドに取り込まれる。しかし、他の魂と違い自我を保ち続けていた。その後、エドワードの肉体を奪おうとしたプライドの行為を美しくないと判断し、邪魔をする。そして、プライドの肉体の崩壊と共に笑みを浮かべながら消えていった。
ミドルネームのJは、「ジャジャジャジャーン」のJと作者は述べている[出典 4]

傷の男とその一行[]

テンプレート:Anchor(スカー)
イシュヴァール人。本名不明。
イシュヴァール人の特徴である褐色肌に赤い瞳の男。額に大きな十字の傷があり、また瞳を隠すため普段はサングラスをかけている。国家錬金術師を殺して回る連続殺人犯で、「傷の男(スカー)」の名は軍部がその額の傷より通称としてつけたもの。名前は曰く復讐のために捨ててきたとし、作中で明かされることはない。
イシュヴァール殲滅戦にて同胞を殺された恨みから、錬金術を憎み[注釈 3]、国家錬金術師を殺して回る。復讐という行為自体を肯定しており、ウィンリィの両親を殺した自分を彼女が裁く(殺す)権利を認めている(もっとも攻撃してきた場合には敵とみなし、反撃はする)。しかし、ブリッグズで拘束された際、ウィンリィが自分を殺そうとせず、また「許すのか」という問いに「理不尽は許していない」と言われ、衝撃を受ける。そこで師父に説かれた「復讐の連鎖」の意味を理解し、自分の考えを改め、終盤では復讐に燃えるマスタングを説得している。
戦闘能力は作中でも高いレベルにある。元は、単身でアメストリス兵10人に匹敵すると言われるイシュヴァラ教の武僧であったため、並外れた体術を持つ。加えて、右腕全体に「分解」の錬成陣が刻まれており、分解を行使することで、相手の肉体や装備、また周辺の物(壁や床など)を直接破壊することを得意とする。また、この錬成陣は正確には錬丹術に属すものであり、「お父様」の錬金術封じが効かない。「約束の日」においては、左腕に兄が残した「再構築」の錬成陣を書き込み、単なる破壊だけではなく錬成も攻撃に用いた。
イシュヴァール殲滅戦においてキンブリーの襲撃を受け家族と右腕を失う(額の傷はこの時のもの)。しかし、兄が庇い、自分の「分解」の錬成陣が彫られた右腕を移植したことで一命は取りとめる。その後、ロックベル夫妻の診療所に運ばれ治療を受けたが、意識が戻った瞬間、怒りと錯乱から2人を殺害し、以後、アメストリスへの復讐を誓う。
タッカーを殺害し、その後にエドワードの命を狙ったことからエルリック兄弟との関係が始まる。ホムンクルス達の計画の支障でもあることから彼らからも命を狙われ、何度か危ない目に合う。ウィンリィの両親を殺害した犯人だと判明するとエルリック兄弟も裁きを受けさせるために積極的に「傷の男」の拘束に乗り出すようになる。一方で、ホムンクルスのアジトに潜入した際、マルコーよりイシュヴァール殲滅戦の真実を知り、兄が残した錬金術書を元にホムンクルス達の計画を破綻させようと目論む。ブリッグズでエルリック兄弟に拘束されるも、上述のようにウィンリィの影響を受けて考えを改める。ホムンクルス達の計画を破綻させるため、また事実上ホムンクルスらの人質となっていたウィンリィを守るため、エルリック兄弟らと協力関係を築く。そして兄が残した錬金術書から「逆転の錬成陣」を見つけ出し、またマルコーと共に各地に散ったイシュヴァール人達を集め「約束の日」に臨む。
「約束の日」、「逆転の錬成陣」を発動させるために国土錬成陣の中心へ向かうが、そこでブラッドレイと戦うこととなる。死闘の末、これを制して「逆転の錬成陣」を発動させるとそのまま倒れる。戦いの後、オリヴィエに密かに戦場を連れ出され、表向き生死不明扱いとなる。そしてマスタングの下に就くことになったマイルズの頼みで、共にイシュヴァール復興に尽力する。
オマケでは猫好きなど、外見に似合わないことをネタにされる(本編でも可愛いものに弱いという描写はある)。また、3回行われた人気投票では1度もTOP10に入ることはなく、マスタングの2位ネタと並んで、毎回それをネタにされている。
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元軍部の中尉。
元はユースウェルの一炭鉱主。出世欲に駆られて軍に入り、中央の高官に炭鉱の利益を賄賂として贈ることで地位を得る。賄賂を増やしてさらに地位を得るために、重税でユースウェルの人々を苦しめていた。しかし、ユースウェルを訪れたエドワードに騙されて炭鉱の経営権を奪わた挙句、さらに東方司令部にも悪行が報告され軍を追放される。その後、イシュヴァール人の貧民街に拾われるも、貧民街の掟を破って「傷の男」を売ろうとしたため、住民から袋叩きの末に追い出される。そして半ば脅迫に近い形で「傷の男」の付き人として行動するようになる。
小悪党な人物で、本編・オマケ問わずコメディリリーフを務めることが多い。長所や活躍は極めて少ないが、元炭鉱経営者であったために鉱山については詳しく、ブリッグズ編ではその知識で活躍している。また「約束の日」では、プライドに自動車をぶつけてアルフォンス達を救う。性格も「傷の男」達と行動するうちに、彼やマルコーを心配する発言もするようになり、少しずつだがまともになっていく。
自分を失脚させたエドワードのことを根に持っている。一方でアルフォンスに対しては恨みはなく、むしろ本人は友達だと思っているらしい。
レギュラーでない時からオマケによく登場し、四コマでは様々な職業や役柄で登場している。本編のネタでも「ヨキ2世」という故人の墓や「ヨキサーカス」というサーカス団のちらしが登場している。特に「ヨキサーカス」は、最終話にてハインケル、ダリウスと共に実際に結成したらしい描写がある。「ヨキはお気に入りですか?」という質問に対し荒川は「ああいうわかり易いキャラは描いていて楽しい」と答えている[出典 5]。また、ウィンリィの登場が遅れたことについて不服を持ちつつも(詳しくはウィンリィの項目を参照)、そのおかげでヨキが生まれたかもしれないと述べている[出典 1]
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「結晶」の二つ名を持つ元国家錬金術師。
白髪が目立ち始めた優しそうな小柄の中年男性。かつて軍の研究機関で「賢者の石」の制作に関わっていた人物。イシュヴァール殲滅戦で「賢者の石」が使われると、その罪悪感から軍を脱走する。元々悪事を成すような性格ではなく、「傷の男」と出会った時は自らを殺すように求める程であった。後の「傷の男」との行動や「約束の日」の阻止などはその贖罪のためであり、「傷の男」も最初は生き証人や兄の研究書解読のためという名目で生かしていたが、やがて仲間と認めるようになる。
「賢者の石」の製作に関して主要な立場にいたこと、人柱の候補者にされていること、ホムンクルスの企みにある程度気づいているなど、錬金術師としてはかなり有能。特に「賢者の石」については詳しく、その破壊法を作り出し、エンヴィーを敗北させている。
資料や石の試作品を持って軍を出奔した後、「マウロ」と名を変え、田舎の町医者として暮らしていた。偶然出会ったエドワードに「賢者の石」の秘密を示唆するが、同時にラストに見つかり、町を人質に監視される。第三研究所の戦いの後にはホムンクルス達の本拠地に監禁されるが、後に潜入した「傷の男」により生き証人として脱出させられ、彼の一行と行動を共にするようになる(その際に顔面の表皮のみ破壊され、強制的に顔を変えられる)。
ブリッグズではメイと共に「傷の男」の兄の研究書を解読し、「逆転の錬成陣」を見つけ出す。また、自らを囮にエンヴィーを誘い出し、彼の賢者の石を直接破壊するという活躍を見せる。「約束の日」の前には「傷の男」と共に各地に散ったイシュヴァール人の生き残り達を集める。
最後の戦いの後、マスタングの下を訪れ、自らが持つ「賢者の石」で眼を治療する代わりに、イシュヴァール復興に力を注ぐこと、また自分がそこで医者として暮らせることの取引を申し出て受領される。また原作では詳しく語られていないが、ハボックの治療も行った模様。

ホムンクルス[]

テンプレート:Anchor / フラスコの中の小人(ホムンクルス)
ホムンクルス達の創造主にして統括者であり、その呼び名通り父親といえる存在。多くの人物からは「お父様」と呼ばれているが、一部ホムンクルスからの呼び名は統一されておらず、本名と呼べるものも存在しない。しかしガイドブックやアニメでは「お父様」と表記されているため、これに準じてここでは「お父様」と記す。
容姿はヴァン・ホーエンハイムに瓜二つだが、それは本体を包む容れ物(ホーエンハイム曰く「俺を模した革袋」)であり、本体はのような不定形に無数のが備わった生命体。セントラルの地下深くに本拠を構えており、普段は大量のパイプが伸びた椅子に自らの肉体を接続し、錬金術の研究にふけっている。ホムンクルス達及び軍上層部を掌握・使役し、国土錬成陣を完成させるためにアメストリス国内を暗躍する。
性格は極めて冷酷。人間を「レベルが違いすぎて何の感慨もわかない」と言い捨て、駒または資源としか認識しておらず、命を奪うことにも全く抵抗が無い。またホムンクルスを生み出す際に七つの大罪(「傲慢」「色欲」「強欲」「嫉妬」「怠惰」「暴食」「憤怒」)として自らの魂を分割したため、感情や欲望といったものが薄い。使役するホムンクルス達や人柱などの自らにとって有益な者はある程度厚遇するが、情らしきものは感じられず、離反した者や用済みとなった者はその時点で躊躇なく切り捨てる。
その正体は、クセルクセス王国のある錬金術師が、ホーエンハイムの血を用いて偶然に作り出した存在。本人曰く「フラスコの中の小人(ホムンクルス)」。本来は影が集まってできたかのような黒く丸い姿であり、現実の錬金術におけるホムンクルスのように生まれながらにして人智を超えた知識を持ち、フラスコの中でしか生きられない。またかなり感情が豊かでもあった。ホーエンハイムを「血を分けた家族」と呼び特別視していた。フラスコの中から出られないことに不満を抱いており、王らを罠に掛けてクセルクセス全土を用いた国土錬成陣を作らせ、クセルクセス人を全員「賢者の石」に錬成した。その半分を自らに、もう半分をホーエンハイムに付与して現代に至る。またその際に自身の中のホーエンハイムの血の情報を元にした「容れ物」を作ったことで、フラスコの外に出ることが可能となった。
その後はさらなる完全な存在となることを画策。星を1つの生命体と見立てた上で惑星の「真理の扉」を開き、その中にある情報、彼が称するところの「神」を自らに取り入れることを目論んだ。そのためにアメストリスを一から建国し、全土を使った国土錬成陣の完成を進めつつ、同時に「人柱」と呼ぶ「真理の扉」を開けた錬金術師を5人探していた。
生まれながらに人の域を超えた知識を持っている事で、人造人間や擬似・真理の扉の創出など、錬金術師としては国家錬金術師さえも遥かに凌ぐ未知数の技術を持つ。さらに自身に強大な賢者の石を付加していることで、ノーモーションかつ等価交換の原則を無視した錬金術の発動を実現している他、石をアメストリス全土の地下に張り巡らされたパイプを通じて国土全域に循環させることにより、アメストリス国中の錬金術の発動を抑制するとともに、その意思ひとつで発動そのものを不可能とする「錬金術封じ」を可能とする。
「約束の日」において、エドワードらの抵抗を退けて人柱5人と国土錬成陣を用い、「神」と呼ぶ力とアメストリス全国民の魂を錬成した賢者の石を手に入れ、ホーエンハイムの青年期を模した新しい「容れ物」の姿となる。だがホーエンハイムのカウンターによって集めた魂を失い「神」を封じ込める余力を奪われ、さらに傷の男が発動した「逆転の錬成陣」によって錬金術封じをも無効化されたことで劣勢に陥る。エネルギー調達のため直接人間達を石に変えようと地上に姿を現すも、駆けつけたブリッグズ兵や錬金術師達の凄絶な反撃を受けて遂に限界を迎え、右腕を取り戻したエドとの最後の一騎打ちの末に敗北。そして「真理の扉」の前に送られ、扉の向こうに戻ることに絶望しながら引きずり込まれていった。
主な能力、戦闘手段は、上記のノーモーションからの錬金術、錬金術封じの他に、「神」を自身に取り込んでからは等価交換の原則を無視した錬金術を応用させて、掌に擬似太陽を錬成する、天候を操る、自身の前方一帯を消し飛ばすほどの巨大な破壊光線、あらゆる攻撃を無効化する防壁、自身を中心とした一帯を吹き飛ばすドーム状の衝撃波を発したりと、人智を遥かに超えた能力をみせた。また、それらの能力発動に伴い消費した体内の賢者の石を補給するため近くにいる人間たちを複数同時に錬成陣を用いずに賢者の石にすることも可能[注釈 4]。もしくは対象の身体に直接腕を突き刺し、生命エネルギーそのものの賢者の石として自身に取り込んだりもした。故に、余程の手練れの者でない限り、下手に近づくと賢者の石として取り込まれ、逆に回復させかねないため、最終決戦時はエドやグリード(リン)[注釈 5]が率先して接近戦を行った。
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「色欲」の名を持つホムンクルス。2番目に造られ、胸元にウロボロスの紋章を持つ。
ウェーブがかった長髪にドレスのような服を纏う女。冷静沈着な性格で謀略に長けている。ホムンクルス内では実行隊長的な役割を持ち、アメストリス各地を周り計画を遂行している。単独行動が多いが、グラトニーと行動することも多く、グラトニーからは慕われている。
ホムンクルスとしての固有能力は、指先を伸縮自在の鋭利な刃に変える「最強の矛」。名の通りかなりの貫通力を誇る。作中では数々の戦闘や殺しを行ったが、基本的にホムンクルスの能力である再生力を頼りにして防御や回避行動は行わないため、致命傷を与えられることは多々あった。
暗躍するマスタングらを牽制するため、ソラリスと名乗ってハボックに近づいたり、バリーの肉体を解放する。しかし、ハボックからは情報は得られず、これらが裏目に出て第三研究所に侵入され、マスタング達と戦うこととなる。マスタングとハボックに重傷を負わせ、さらに懐まで侵入したバリーを破壊し、ホークアイとアルをギリギリまで追い詰める。しかし、決死の覚悟のマスタングの不意打ちからの連続攻撃に反撃できず敗北し消滅する。
マスタングとラストの対決は連載当初から決まっていたという[出典 1]テンプレート:要出典範囲
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「暴食」の名を持つホムンクルス。6番目に造られ、舌にウロボロスの紋章を持つ。
坊主に丸顔、丸い巨体という肥満体の男(容姿のモデルはスノーマン[出典 6])。のんびり屋でマイペースな性格。無邪気な子供のようだが、名の通り常に腹を空かせており「食べていい?」が口癖。自分で考え、また行動するという意思に欠け、攻撃する場合も仲間の許可を待つといった受動的な面が目立つ。そのため、仲間と行動を共にすることが多く、特にラストを慕っている。
その正体は「お父様」が真理の扉を作り出そうとして失敗した「擬似・真理の扉」。グラトニーに食べられた(あるいは「飲み込まれた」)物体は、本来の真理に相等する空間に送り込まれる。この空間は足元に血の海が広がる暗闇の果てしない空間であり、通常、出ることはできない。
ホムンクルスとしての固有能力は、材料や質量問わずあらゆる物を無限に食べられること。ホムンクルスの耐久性を生かした猪突猛進な突撃を行い相手を喰らう。これらは先述の「擬似・真理の扉」の機能として可能となっている。さらに腹が縦に裂けて、肋骨を牙と見立てたような大きな口を広げ、対象を棒放射上に「飲み込む」こともできる。しかしながら、味の好みはあり、肉が柔らかいという理由で女の子を好む。また、鋭い嗅覚を持ち、目が使えなくても臭いによって相手の位置を把握することが可能。
ラストと共に物語序盤から登場する。第三研究所の戦いでラストが死ぬとショックで悲しみ、マスタングへの怒りから暴走する。「約束の日」の直前では、プライドと行動を共にし、その嗅覚を使ってアルフォンスを捕らえたり、エドワード達の襲撃を手助けする。しかし、乱入してきたランファンに歯が立たず、役立たずと判断されたプライドに喰われるという最期を遂げる。
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「嫉妬」の名を持つホムンクルス。4番目に造られ、左脚の太股にウロボロスの紋章を持つ。
中性的な顔立ちに小柄な体格の少年。一見するとひょうきんな性格だが、本性は残忍。ホムンクルス達の計画のため、後述する変身能力を生かして様々な事件・出来事の裏を暗躍している。
人間への侮蔑の念が強いホムンクルス達の中でも特にそれが酷い。「お父様」には忠実だが、計画の範囲内であれば、より非道な演出も行い、人間を嘲笑う。ラストからは「仲間内で一番えげつない」と評される。一方で自分が見下されることには敏感で、些細なことでもすぐに逆上し、冷静さを失う。特に本来の姿にコンプレックスを抱いており、醜さを指摘されることを嫌う。その本質は、自分らより劣るはずの人間が(精神的に)強いことへの嫉妬であった。
ホムンクルスとしての固有能力は、外見を自在に変えられること。人間や動物はおろか、武器などの無生物に姿を自由に変えられる。また、身体の一部分を変身させるといったことも可能。一方で弱点として、自身の視覚情報を頼りにしているがために、ミスが生じることがある。普段の少年の姿も、変身した姿であり、本来の姿は後述する化物。
本来の姿は「賢者の石」を構成するクセルクセス人が全身から表出した四本腕・四本足の巨大なトカゲに似た醜悪な容姿の化物。この姿を嫌ってはいるが、戦闘力は高く、戦闘で劣勢に陥った場合にはこの姿に戻る。また、核となる「賢者の石」を破壊された場合には、人間の拳程度の大きさの脊椎動物ののような姿となる。この姿では基本的に何もできないが、噛み付いて相手をコントロールしたり、「賢者の石」を吸収することで元の姿に戻るといったことは可能。
その変身能力によってイシュヴァールの内乱や、リオールの暴動を引き起こす。また、物語序盤においては、計画に気付いたヒューズを射殺する。以後も、計画遂行のために暗躍し、ラストの死亡後は彼女に代わって実行隊長的な役割を得る。しかし、マルコーへの脅しを実行するため北方へ赴いたおり、彼に核である「賢者の石」を破壊される。非力な状態となるも、メイを上手く誘導して「約束の日」にセントラルへ帰り着く。
人形兵の「賢者の石」のエネルギーを吸収することで元に戻り、マスタングらを迎え撃つ。親友の姿に化けたりするなど得意の人間の弱さを利用した戦法を用いるも、復讐に燃えるマスタングには全く歯が立たず、「賢者の石」を使い果たし何もできない状態に戻る。そして、エドワードに「人間への嫉妬」という本質を理解され、自害する。
3回行われた人気投票ではホムンクルスの中で唯一10位以内に毎回入っている(10位以内に1度でも入ったホムンクルスは他にいない)[注釈 6]2009年版のアニメの声優を担当した高山みなみは「気が短いように見えるが、実はそうでもなく、意外と人の話を聞き、律儀な面もある」と語っている[出典 7]
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「強欲」の名を持つホムンクルス。3番目に造られ、左手の甲にウロボロスの紋章を持つ。
体格の良い青年風の男。名の通り自分の欲望に忠実で、金・女・命、この世のありとあらゆるものを欲している。口癖は「ありえないなんて事はありえない」。女性を殴らないことと、嘘を付かないことが信条。100年ほど前に、己の業である強欲を満たせないとして「お父様」の元から去る。その後、軍の実験で合成獣となった者たちを集め、ダブリスの「デビルズネスト」を根城に自由奔放に生きていた。
とかく欲望に忠実な性格だが、「欲望に貴賎無し」と述べ、独自の理論を展開する。部下達についても「強欲」ゆえに自身の所有物と言い放つが、それ故に単なる駒として見ず、守ろうとする。そのため部下達からは慕われていた。また、絶えず湧き上がる渇望感を満たすために「お父様」の目的である「神」の横取りも企てていた。しかし、最後にリンに本当に欲しかったものは仲間と指摘され、それを認める。
後述するように1度「賢者の石」に戻され、リンを素体とした人間ベースのホムンクルスとして復活する。普段は自身が表に出ているが、ブラッドレイと違って依然リンの意識も存在しており、必要に応じてリンの意識が表に登場するなど、共存しているような関係にある。また彼自身、世界の王となることを公言するリンを気に入っている。能力面でもホムンクルスとして再生能力や硬化能力はそのまま有しており、リンが支配的になれば、シン国人特有の気を読むという能力も発揮できる。詳しくは#リン・ヤオの項目も参照のこと。
ホムンクルスとしての固有能力は、体内の炭素の結合度を変化させ、表皮をダイヤモンド並に硬化させる「最強の盾」と呼ばれる能力。防御に特化しているだけではなく、その硬さにより攻撃力を増すこともできる。全身を覆うこともできるが「ブ男になる」という理由で、通常は身体の一部を硬化させるに留まっている。防御に限れば最強にみえるが、再生と硬化は同時に行えない、再生と硬化には若干の時間がかかるなどの弱点があり、連続攻撃に弱い。またエドワードは錬金術によって炭素結合度を変え、ダメージを与えた。
完全な永遠の命を手に入れようとエルリック兄弟に近づくが、それが原因でブラッドレイに居場所を知られてしまい、デビルズネスト掃討戦が起こる。ブラッドレイに拘束され、「お父様」の元へ連れ戻されるが、再び「お父様」の元で働くことを拒否し、「賢者の石」に精製し直される。その後、ホムンクルス達のアジトへ侵入したリンが「強欲」の「賢者の石」を注入されたことで、人間ベースのホムンクルスとして復活する。前の記憶は無く、当初は「お父様」に従っていたが、ビドーを殺したことで記憶が戻り、再び「お父様」を裏切る。その後、偶然にエドワードと再会し、建前は彼を部下にするという形で、仲間となる。
「約束の日」では、バッカニアらと協力して因縁あるブラッドレイと戦う。そして、バッカニアの最期の頼みである正門の死守を行う。その後、エドワード達を出し抜いて「神」の横取りを企てるが続け様に失敗する。だが、そこで自分が本当に欲しかったものは仲間だったと悟る。そしてリンの身体から抜け、自らを取り込んだ「お父様」の身体を炭に変化させる。そのために「お父様」に消滅させられるが、これがエドワードによる「お父様」への決定打に繋がる。
ラース
「憤怒」の名を持つホムンクルス。7番目に造られ、左眼にウロボロスの紋章を持つ(眼としての機能は失っていない)。キング・ブラッドレイの正体。

詳細は#キング・ブラッドレイを参照

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「怠惰」の名を持つホムンクルス。5番目に造られ、右肩の後方にウロボロスの紋章を持つ。
非常に大柄な体格の男(ホムンクルスの中で一番の巨体)。非情に物臭な性格で、口癖は「めんどーくせぇ」。動きや思考は鈍重であり、感情の起伏も乏しい。一方で戦車の砲撃にも動じない強靭な肉体とトンネルを素手で掘る怪力を持つ。ホムンクルスの特徴の一つである基盤模様が顔の右半分にまで伸びており、隻眼になっている。国土錬成陣のトンネルを掘る役割を与えられており、少なくとも100年以上ずっと掘り続けていた(ラストは怠けていたから時間が掛かったと述べている)。
ホムンクルスとしての固有能力は、超高速移動で「最速のホムンクルス」を名乗る。残像すら残さず、目で追うことすらも能わない速さで移動する。そこに巨体と強靭な肉体が加わることで、非常に強い衝撃・攻撃力を持った体当たりとなる。ただし、元来の面倒くさがりのため、多少のことでは使おうとせず、また速過ぎるために移動中は方向を自分でコントロールできない。
トンネルを掘っている最中、ブリッグズ要塞に迷い込み、エルリック兄弟とオリヴィエら要塞の面々に排除・凍結させられる。その後、レイブンによってトンネル掘りを再開し、貫通させる。その後は、「お父様」の護衛として行動し、「約束の日」では反旗を翻したオリヴィエを殺そうとする。姉の救援にかけつけたアームストロング少佐や彼らに協力した中央兵を相手に超高速移動で追い込む。しかし、さらに救援に駆けつけたカーティス夫妻には歯が立たず、アームストロング少佐の一撃によって「賢者の石」を使い果たし、消滅する。
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「傲慢」の名を持つホムンクルス。最初に造られたホムンクルスで「お父様」の本来の姿に似せてある。セリム・ブラッドレイの正体。
最初に生まれたことより「始まりのホムンクルス」とも名乗るホムンクルス達のリーダー的な存在。本体は後述する本来の「お父様」に似せた姿をしているが、普段は「容れ物」と呼ばれる少年の体で行動し、ブラッドレイの養子・セリムとして振舞っている。セリムでいる時は年相応の少年を演じ、ホムンクルスとしての正体を現す時は少年の姿には合わない紳士然とした丁寧な口調で話す。その本質は名の通り「傲慢」であり、兄弟すらも駒同然に扱う非情さをみせる。ホーエンハイムは「傲慢」こそが「お父様」の本質とし、だから最初に切り離され、性格や姿(後述の活動範囲の制限)が似ている(あるいは似せて造られた)と指摘している。
物語初期において目立った役割は少なかったが、ラースとともに国家錬金術師の最終選定を行う、「お父様」の代理として監督、命令などを行っていると思われる描写がある。表向きは古くからセリムの姿で、要人達の傍らにいた。作中では特に国土錬成陣のトンネルを監視しており、侵入者を撃退していた。「約束の日」が迫ると、ホークアイに正体を明かし、表舞台にも積極的に登場するようになる。
上述のように性格は非情で傲慢であり、人間を馬鹿にすることもある。養母であるブラッドレイ夫人に対しても、セリムとして良い息子を演じ「家族ごっこ」と称している。一方で、母親の情というものに興味を持ち、「あれは好きだった」と吐露している。また、ホムンクルスの矜持を述べる一方で、(我々と違い)人間は揺ぎ無い信念を持っていると評してもいる。最後、消滅する間際には偽りであるはずの両親(ブラッドレイ夫妻)を思い浮かべている。
ホムンクルスとしての固有能力は、本体である影を自由自在に操ること。本体は巨大な影に無数の目や鋭い歯を持った口が備わった不定形の姿をしており、フラスコの中の小人としての「お父様」に似た姿をしている。この影は伸ばしたり広げたりするなど、変幻自在に形を変えることができ、強度も自由に変えられる。例えば槍のように尖らせて伸ばすことで並の防壁など意に介さない強力な攻撃となる。また影さえあれば、それを媒介にしてどこまでも伸ばせる。一方で弱点として、影は本体から切り離すことができず、切り離されると先が消滅する。また完全な暗闇では影は出せず、逆に強い光の前でも影は作れない。国土錬成陣の外に出ることもできない。他にも、鎧のアルフォンスに対し影で自由を奪い意識を乗っ取ったり、グラトニーやキンブリーにしたように影の中に飲み込んでしまうという能力も見せる。これはグラトニーの能力とは異なり、命そのものを自分自身に取り込んでしまう能力で、グラトニーを取り込んだ結果、彼の能力である鋭い嗅覚を会得している。
「約束の日」、目的の成就のため率先して動く。最後の人柱であるマスタングの扉を開かせるため、人体錬成の構築式を持った「金歯医者」を半分取り込み、強制的に彼の扉を開かせる。人柱が揃ったことにより「お父様」は星の真理の扉を開くことに成功するが、プライドは扉を開いた代償として身体の崩壊が始まる。そのため、エドワードとの戦いで彼の身体を乗っ取ろうとするが体内にいたキンブリーに邪魔をされる。そして、自身を「賢者の石」として侵入してきたエドワードに、手の平サイズの胎児のような本体を引き出され敗北する。
「約束の日」の後は、ブラッドレイ夫人に引き取られる。かつての記憶は無く、本当に年相応の感覚の少年として育っている。

シン国の人物[]

隣国シンから不老不死の法を求めやってきた者達。

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シン国第十二皇子。メイとは異母兄妹にあたる。初登場時15歳。後にグリードとなる。
細目の少年。50万人からなるヤオ族の出身で、ヤオ族の地位向上と次期皇帝になるため、不老不死の法を求めてアメストリス国に不法入国してくる。ラッシュバレーで出会ったエルリック兄弟が不老不死の法(「賢者の石」)に通じていると直感し、兄弟を追いかける。ランファンとフーを護衛役として連れているが身勝手な行動でよくはぐれる。また、大食漢でもあり腹を空かせて行き倒れていることが多い。
基本的に笑顔で陽気な性格。細目なのは、目つきが悪いことを気にして意図的にしている。その反面、出身部族代表として、多くの兄弟達と次期皇帝の座を競いあっており、シビアな一面もみせる。そして「王は民のために在る者」と統治者としての強い信念を持つ。後に「強欲」の賢者の石が注入された際には、世界の王となることを公言してグリードに気に入られている。
暗殺の危機から逃れるために身体を鍛えており、卓越した体術を誇る。また武器として柳葉刀を用いる。さらに気の流れを読むことができ、人とは違う気を持つホムンクルスらを探知し、彼らとの戦いを有利に進める。
不老不死の法を手に入れるため、エドワードやマスタングらと協力してグラトニーを捕らえる。しかし、グラトニーの暴走でエドワードと共に飲み込まれてから、紆余曲折の後、ホムンクルス達のアジトに乗り込むこととなる。そこで「お父様」と対峙することになるが、手も足も出ず、「強欲」の賢者の石を注入されてしまう。拒絶反応の中で、自身を取り込もうとするグリードに対し、逆に受け入れてやると啖呵を切り、彼にその強欲さを気に入られる。そして、人間ベースのホムンクルスとなり、以後はグリードとして行動する。グリードに身体を取られたが意識は残っており、グリード自身がリンを気にいっているため共存しているような関係となる。気を読む能力を使うためなど場合によってはリンが身体を支配することもある。
「約束の日」も、基本はグリードとして行動する。「お父様」との最終決戦、「神」を横取りし、渇望感を埋めようとするグリードに対し、彼が本当に欲しい者は仲間だと指摘する。「お父様」に吸収されそうなグリードを引き止めようとするが、結局グリードがリンを巻き添えにしないために自身を犠牲にしたことで、引き止めきれずに終わる。
「約束の日」の後は、ランファンが「賢者の石」を手にしたことで皇帝となることがほぼ決まる。その際には、他家の者も蔑ろにせず全て王として受け入れると宣言する。帰国後は、皇帝に即位し、アメストリスとの条約を結んだりしている。
#グリードの項も参照のこと。
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ヤオ家に代々仕える家系の娘でリンの護衛の1人。
美少女だが内気な性格で素顔を見せることを嫌い黒い仮面を常時付けている。リンを心底敬愛しており、彼への誹謗中傷には一切容赦しない。リンがグリードになった際には、自分の無力さに涙を流している。
戦闘スタイルは忍者のような白兵戦で、卓越した体術と主にクナイを武器として戦う。戦闘能力は高く、エドワードと互角の戦いを見せる。左腕を機械鎧にしてからは、肘部分に仕込んだ刃物を使って戦い、その際にはリハビリが十分ではないにも関わらずグラトニーを圧倒している。
エルリック兄弟、マスタングらとの協力でグラトニーの捕獲を試みた際に、ブラッドレイの奇襲を受けたことがきっかけで左腕を失う。そしてノックスの世話になった後、リンがグリードになったことを知らされ、これを取り戻すべくフーと共にセントラルを離れ、エルリック兄弟とも別れる。
「約束の日」の直前、カナマスラムでの戦いに機械鎧を装着して馳せ参じ、グラトニーを圧倒する。その後のセントラルの戦いではリン(グリード)を探し出すため、エドワードらとは別に単独で地下の捜索をする。ブラッドレイが「傷の男」に敗れて行動不能になった後、フーの仇を取るために現れるが、とどめを刺す前にブラッドレイは息絶えてしまう。そして最終決戦ではリンと共に戦い、グリードの捨て身の攻撃に一役買う。
ブラッドレイが持っていた賢者の石を回収したことでリンが皇帝になることが決まり、最後の写真では皇帝となったリンの横にいる。
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ヤオ家に代々仕える家系の老人でリンの護衛の1人。ランファンの祖父。
卓越した体術を誇る白髪白髭の老人。一応リンのお目付け役ということになっているが、よく見失っている。普段はランファン同様に仮面をつけている(彼のは白い)。義理堅い人物であり、孫娘の手当てをしてくれたノックスには手を合わせて感謝している。リンがグリードになった際には、主人であるリンを守れなかったことに対して師として厳しく当たる反面、祖父として腕を亡くした孫娘を心配するなど深い愛情も見せる。また、理知的な人物でもあり、エドがランファンの機械鎧に関しウィンリィを紹介しようとした時は、提案に感謝した上で「軽々しく動いては共倒れになってしまう」と申し出を断っている。
優れた体術を誇り、年を感じさせない戦闘を行う。武器の薄刃刀以外にも、爆弾や煙幕、閃光弾などを用いる。
ロス少尉の件で、彼女のシンへの亡命の手助けをし、一時アメストリスを離れる。その間の出来事でリンがグリードに乗っ取られてしまい、リンの奪還とランファンの機械鎧を得るため、ランファンを連れてエルリック兄弟たちと別行動を取る。その際には再び戻ってくることを誓う。
「約束の日」、帰還したブラッドレイを、バッカニア及びリン(グリード)らと迎え撃つ。しかし圧倒的な強さを前に劣勢を強いられ、最終的に体に巻きつけた爆弾でブラッドレイに自爆攻撃を仕掛けようとする。しかし、それすらもブラッドレイに無効化されたが、その隙をついてバッカニアがブラッドレイに致命傷を与える。そしてバッカニアに自分の命が無駄にならなかったことを感謝し、息絶える。
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シン国第十七皇女。リンとは異母兄妹にあたる。錬丹術師。
黒髪の御団子頭が特徴の少女。弱小の民族・チャン族の出身で、一族の地位を引き立ててもらうため、不老不死の法を求めてアメストリスにやってくる。最初はユースウェルでエドワードのことを知り、彼に会おうとする。セントラルで偶然「傷の男」と出会い、彼の傷を治したり、共にホムンクルスのアジトへ潜入したことが縁で以降、「傷の男」と一緒に行動するようになる。一方で、エドワードが自身が想像した人物と違って落胆するが、直後にアルフォンスに惚れる。
未だ年端もいかない少女であるが、高度な錬丹術や体術を使いこなす。一族の命運を握っていることもあり、同じくアメストリスにやってきていた他家のリン達と争うともする。一方で年相応に乙女心も持っており、思い込みが激しい。エドワードを長身の白馬の王子様のような人物と勝手に勘違いし、実際にエドワードと会うと乙女心を踏みにじったと怒りを露わにしている。
錬丹術の達人で通常の錬成はもちろん、様々な文字や模様の描かれた(ひょう)を駆使することで遠隔錬成が可能。また、リン達と同じように気を読むこともできる。作中でも不意打ちとはいえ、エルリック兄弟を退け「傷の男」を助けたり、合成獣の群れ相手にいとも簡単に倒していくなどの活躍を見せる。ただし、イメージのセンスはエドワードといい勝負。
錬丹術の見地からホムンクルス達の計画に関わる重要な事柄をエルリック兄弟達に示唆する。特に北方では「傷の男」の兄が残した研究書の解読に一役買う。また、「傷の男」らと協力してエンヴィーを迎え撃ち、彼を無力化する。その後、これ以上他国のことに関わる必要は無いと「傷の男」に諭され、不老不死の手掛かりとしてエンヴィーを渡され、シンへ帰るよう促される。しかし、エンヴィーの唆しもあって、途中で帰ることを取り止め、セントラルへと向かう。
「約束の日」、ホムンクルスのアジトへ潜入するが、起動した不死の軍団によってエンヴィーを逃がしてしまうが、エドワードらと合流し、そのまま「お父様」と戦う。右腕を破壊されたエドワードを助けるため、アルフォンスが自らを対価に彼の右腕を錬成しようとすると、涙を流しながらも遠隔錬成によってそれを補助し、結果としてエドワードが「お父様」を倒すことに繋げる。
最後の戦いの後、アルフォンスが身体を取り戻すと涙を流しながら抱きつき、喜ぶ。また、一族のことも帝位に就くであろうリンが責任を持って守るとし、リン達と一緒にシンへと帰る。最後の写真には我が子を抱えるエドワードとウィンリィ、またアルフォンスと共に写っており、アルフォンスと付き合っている様子である。
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メイが一緒に連れているパンダ。メス。
病気で大きくなれなかったジャイアントパンダの子供で、メイの肩に乗れるほど小さい。見た目に反し、人間の言葉を理解する高い知能とメイと同じく「気」を読む能力を持つ。作中の描写ではコミカルな面が目立ち、ビールをジョッキで一気飲みしたり、メイの動きに合わせてキックやパンチなどをしている。
主人であるメイに忠実で、彼女の危機には身を挺して敵に噛み付いたりする。関連して人間をランク付けしており、自分より下位と認識した相手には懐かない。メイは同格と見ており、噛み付いても鎧の身体のため全く効かなかったアルフォンスを最上位と認識している。

真理[]

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「真理の扉」の前に座っている存在。当初は「ただ人の形をした何か」としか表現しようのない透明人間のような風貌をしている[注釈 7]
人や物というより単に存在、或いは概念と言った方が近く、具体的な正体は不明。自らを「世界」「宇宙」「神」「真理」「全」「一」などと呼ばれるモノだと名乗り、またエドを指差し「オレは、おまえだ」とも言っている。ゆえに全事象とも言える存在。
人体錬成などを行って「真理の扉」の前に来た者に対し、「通行料」と称する代価と引き換えに「真理」を見せる。この代価とは術者の身体であり、一部か全体を奪う。同時に奪ったは箇所は、その透明のような身体に補われる。詳しくは鋼の錬金術師#用語の真理の項も参照。
基本的にやってくる者を愚かな存在と言い放つ。しかし、エドワードがアルフォンスを元に戻すために最後に「真理」を代価にした時は、「正解」と言い、「真理(オレ)に勝った」と述べている。
オマケでは、本編でのシリアスな存在から一変してコミカルな存在に描かれている。特に各種ガイドブックのカバー裏は必ず「真理」がネタである。

出典・注釈[]

  • 『鋼の錬金術師 パーフェクトガイドブック』[出典 8]
  • 『鋼の錬金術師 パーフェクトガイドブック2』[出典 1]
  • 『鋼の錬金術師 パーフェクトガイドブック3』[出典 9]
  • 『鋼の錬金術師 ハガレン研究所DX』[出典 5]
  • 『鋼の錬金術師 キャラクターガイド』[出典 3]
  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 『パーフェクトガイドブック2』
  2. NHK「BSアニメ夜話」2006年8月9日放送
  3. 3.0 3.1 『キャラクターガイド』
  4. 4.0 4.1 第15巻巻末「牛小屋日記」
  5. 5.0 5.1 『ハガレン研究所DX』
  6. 第14巻初回特装版『ラフ画集』
  7. 『アニメージュ』2009年11月号
  8. 『パーフェクトガイドブック』
  9. 『パーフェクトガイドブック3』

注釈[]

  1. 正しくは「クソ親父」だが、それまでは一切「父」に関係するような呼ばれ方はしておらず、初めて父と認めた言葉である。
  2. 見た目はリゼンブールの家の跡地と変わらない。
  3. イシュヴァラの教義から元々錬金術は嫌っていた。
  4. 原作では途中で邪魔され未遂に終わったが、アニメでは一度補給に成功している。
  5. アニメではイズミとアームストロング少佐も接近戦に参加した。
  6. 第1回は9位。第2回は5位。第3回は6位。
  7. 姿は術者の身体に対応しており、「お父様」の場合は、人型ではなく「フラスコの中の小人」時に似た姿である。透明なのは同じである。
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